■□◆ [ちょぃと斜め読み vol.010] 
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■□■ 01/6/13
             http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Namiki/7807/
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 毎日、ニュースや新聞などをみていて「おや?」と思うことがよくあり
ます。そんな、「おやっ??」という記事をとりあげて、時事問題から軟
派なネタまで、幅広く、かつ鋭く読み解くコラム「ちょぃと斜め読み」。
批判・反論も大歓迎!
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■□■ I say,"FREE Tibet !"
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■□■ [聖なる山に2人目はいらない]

 いまの世の中、飛行機やバスやクシーを乗り継いで、片道で一週間もあ
れば世界中のどんな辺鄙な町にでも行くことができる(もちろん、お金の
問題さえクリアすればの話だが・・・)。南極ツアーなんて数年前から存
在するし、私自身、2年前、日本出発からたった4日でヒマラヤ山中にあ
るガンジス川源流の氷河にたどり着くことができたくらいだ。

 でも私の知る限り、人々が生活している場所でありながら、片道一週間
ではとても行けないような場所が1つだけある。チベット高原の中央、カ
イラス山周辺だ。この地域に辿り着くためにはは、いくら天候に恵まれた
としても、およそ一ヶ月弱もの時間が必要である。

 このカイラス山はチベット仏教はもちろん、ヒンドゥー教、ボン教(チ
ベット古来の土着宗教)、ジャイナ教の聖地となっている。イスラム教徒
の人々が、一生に一度はメッカ巡礼をと願うように、チベット仏教徒にとっ
てカイラス山はとても大切な巡礼の場所なのだ。

 カイラス山をめぐっては、チベット仏教におもしろい伝説がある。その
昔、チベット仏教カギュ派の開祖であるミラレパが、ボン教のナロ・ボン
チュンとこの場所で争ったときのお話。2人はまず、お互いに洞窟を作っ
て力を競い合った。はじめにミラレパは、家ほどもある巨大な岩を素手で
割った。ボンチュンも負けじと巨大な岩を素手で割って、それをまずは洞
窟の壁にしようとした。ところがふと見ると、ミラレパは、さっき割った
大きな岩を洞窟の天井にするために、なんと宙に浮かべているではないか!
あっけにとられたボンチュンはそれから何もできず、一回戦はミラレパの
勝ち。次に2人は、どちらが先にカイラス山の頂上に着けるかで競争した。
夜明け前、まだミラレパが眠っている隙に、ボンチュンは太鼓に乗って飛
び立った。ミラレパを尻目にどんどん頂上に近づくボンチュン。これで勝
負あったかに思えた次の瞬間、ミラレパは日の出とともに射した日の光に
乗って、一瞬でカイラスの頂上に到着してしまった。これ以来、ボン教徒
はカイラス山をチベット仏教徒に譲ってしまったという−−−。

 このカイラス山を巡礼するために、広大なチベット高原の各地から数ヶ月
もかけて人々がやってくる。なかには何年もかけて、歩いて来る人もいる。
さらに信仰厚い人になると、何百キロもの距離を五体倒地礼(立った状態
から地面に腹ばいになって祈りを捧げ、また立ち上がる)を繰り返しなが
ら10年近くかけて巡礼をする人もいる。またジャイナ教徒やヒンドゥー
教徒もインドから険しいヒマラヤ山脈を越えて巡礼にやってくる。その巡
礼の様子は、およそ100年前にこの場所を訪れた探検家ヘディンや、仏
典を求めてこの地に入った河口慧海の時代と、まったく変わらない。カイ
ラス山周辺はまさに、中央アジアの一大聖地なのだ。

 ところが先月、中国政府はスペインの登山隊に、この聖地カイラス山の
登山を許可したという(朝日新聞 5/18)。これはおそらく、独立運動が
くすぶりつづけるチベットの文化を押さえつけるという、これまでの中国
のチベット政策の一環なのだろう。

 中国政府はチベット仏教の指導者、ダライ・ラマを、チベット独立運動
の源とみなしていて、ダライ・ラマの写真を持っているというだけで地元
の人々は逮捕され、場合によっては酷い拷問を受けることもある(旅行者
であればチベット自治区から追放される程度)。また、チベットを旅行す
るバックパッカーたちの間では、「チベット独立のデモを見かけても絶対
に写真を取らない」という暗黙のルールがある。もし中国側の公安に見つ
かって写真を没収されれば、そこに写っているチベットの人々が拷問を受
けることになるからだ。

 世界的な人権保護団体アムネスティによると、たとえば独立を求めるデ
モをした人々が受ける処罰は、次のようなものだという。

 ・平均二ヶ月間の投獄
 ・殴る蹴る
 ・電気棒によるショック
 ・一畳ほどの窓のない独房に一ヶ月以上閉じ込める
 ・獄中で独立運動を行った者は、最悪の場合、処刑

 こうしたなかで出てきた、今回のカイラス登山許可は、この山を聖地と
して信仰する人々の気持ちを踏みにじるものでしかない。

 チベット自治区にはカイラス山周辺地域のほかにも、92年に発見された
敦煌を超える規模の石窟寺院、ピャン・トンガ遺跡や、グゲ王朝の栄えた都
市跡であるグゲ遺跡など、貴重な文化遺産が数多く残されている。これらの
文化遺産を保護するだけでなく、チベットに生きる人々の文化を守るために
も、これらの地区を世界遺産として認定し、不当な圧政から保護されるべき
である。

 カイラス山に2人目の登頂者はいらない。

【参考HP】

 チベット関連のリンク集
   http://www.bekkoame.ne.jp/~theads/th/etc/tibet.html

 I love TIBET!
   http://www.tibet.to/

 アムネスティ・インターナショナル
   http://www.amnesty.or.jp/

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■□■ [編集後記]

 先月はじめて "パソコンのクラッシュ" というやつに遭遇した。ある日
突然、電源を入れてもウンともスンともいわなくなってしまったのだ。こ
れには本当にマイッタ!

 修理のための思わぬ出費にも参ったけど、それ以上にマイッタのが、こ
のメルマガでした。ハンセン病や小泉内閣についての原稿を書いたにもか
かわらず修理のために発行できず、しかもようやく修理が終わったころに
は、もはや出す意味のない原稿になってしまい、泣く泣く "ボツ原稿" に。
(でもそのまま闇から闇へと葬りさってしまうのはモッタイナイので、近
いうちにホームページ上で公開することも考えています)

 あらためて、パソコンのない不便さを実感した一ヶ月でした。しかし何
はともあれ、しばらくメルマガの発行をお休みしてしまって、すみません
でした。。。

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 発行時期 :  隔週(毎月第2・第4水曜日)
 発行者  :  あがた あきら
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