■□◆ [ちょぃと斜め読み vol.003] 
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■□■ 01/1/24
             http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Namiki/7807/
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 毎日、ニュースや新聞などをみていて「おや?」と思うことがよくあり
ます。そんな、「おやっ??」という記事をとりあげて、時事問題から軟
派なネタまで、幅広く、かつ鋭く読み解くコラム「ちょぃと斜め読み」。
批判・反論も大歓迎!
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■□■ [憲法調査会でデタラメを許す自民党]

 去年12月はじめ、衆院の憲法調査会において、各党が推薦する学識者を
参考人として招き、意見を交わす場面があった(朝日新聞 12/26 )。「
憲法」という国の大黒柱について、しかも衆院の調査会という正式な場で、
各党が招く学識者はいったいどんな意見を交わしたのかと興味シンシンだ
ったが、与党の自民党が推したのが渡部昇一氏(上智大学教授・英文学)
だと知って、あきれてしまった。というのも、この人は過去に何度も "デ
タラメ" を並べてきた、いわばデタラメの "常習犯" だからである。案の
定、この調査会でも言いたい放題だったようだ。

|渡部氏は、戦前の国体思想、戦後の業界保護行政がともに社会主義の影
|響で生まれたとし、「(資本主義を批判した)マルクスのマインドコン
|トロールから離れた新しい憲法の構想」を提案した。(記事より引用) 

 はっきり言って、無茶苦茶である。まず戦前の国体思想であるが、これ
はそもそも、天照大神から代々続く "万世一系の天皇" が日本を統治する
という神話に端を発する、一種の王権神授説であって、社会主義云々とは
まったく関係がない。業界保護行政に至っては、もはや噴飯モノである。
労働者の自由と私有財産の廃止を目的とする社会主義思想と、それとはま
ったく逆の業界保護行政とが、渡部氏の頭のなかで、いったいどこでどう
つながっているのだろうか?

 しかし渡部氏は、そんなことはおかまいなしに話を続け、あげくの果て
には満州事変について「満州族の正規の末えいが皇帝になるのを日本が助
けたもの」と主張し、太平洋戦争中の日本軍の行為については「私は侵略
とは認めない」と言い切った。

 渡部氏は過去にも、「神聖な義務」と題したコラムで、精神異常、精神
薄弱、先天的身体障害などの劣悪な遺伝子を持つ者は自発的に断種して子
供をつくるな、そうでないと社会のレベルが低くなると主張したり、南京
大虐殺はまったくのフィクション、完全なる嘘だ、などとインタビューで
答えたりと、とにかく箸にも棒にもかからぬような珍論・奇論を吐き続け
てきた人物である。

 まったく、バカも休み休みにしろ、とはこういう人のことを言うのだろ
う。こんなデタラメを並べて平然としている人物が大学教授であるのも驚
きである。しかしそれ以上に、憲法調査会という正式な場に、平然とこの
ような人物を自民党が推薦しているという事実には、慄然とする。

【参考HP】
 渡部昇一氏 :
   http://www.yomu.co.jp/profile/watanabe-shouichi.html 

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■□■ ["賄賂" の意味を理解しない厚生労働省]

 昨年から疑惑がささやかれ続けていたKSD 事件にからんで、小山孝雄・
参議院議員が受託収賄罪で逮捕された。KSD の前理事長・古関忠夫被告(
業務上横領と背任の罪で起訴)から、およそ2000万円を受け取った見返り
として、参院労働委員会などでKSD 側に有利な質問をおこなったという容
疑である。

 これに関して、坂口力・厚生労働相は「当時の国会質問、答弁も見直し
ているが、労働行政の執行に不適切なことはなかったと確信している」「
ものつくり大学も外国人研修も、小山氏やKSD からの要請があったから具
体化したということではない」などと語った。さらに労働省出身の渡辺信
・厚生労働審議官も「国会質問で労働省の方針が変わったというようなこ
とは絶対にない」と強調し、小山氏を間接的に弁護した(両者の発言は、
1/16  朝日新聞より引用)。

 私はこれらの発言を読んで、ハッキリ言って唖然とした。これらの発言
が、およそ公務員として持つべき認識とかけ離れたものだからである。厚
生労働省は「賄賂」というものをまったく理解していないのではないか。

 そもそも受託収賄罪について規定する、刑法197 条の条文は、次のよう
になっている。 

|第197 条(1)
| 公務員又は仲裁人が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求
|若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。この場合におい
|て、請託を受けたときは、七年以下の懲役に処する。 

 つまり公務員がその職務に関して賄賂を受け取れば収賄罪が成立します
よ、ということである。当たり前すぎるくらいに当たり前のことを言って
いる条文だが、ただ一つ注意して頂きたいのは、賄賂をもらった前後の公
務員の行為について、この条文には何の規定もないということである。つ
まり、たとえばある公務員がその職務に関して賄賂をもらったにもかかわ
らず、公正に仕事をしつづけたとしても、収賄罪は成立するのである。

 カネを受け取っただけで、何ら不正な行為をはたらかなかったとしても
収賄罪が成立するというのは、一見、奇妙なことに思えるかもしれないが、
これに関しては1931年8 月の、大審院による有名な判例がある。刑法の教
科書で贈収賄を論じる箇所に必ずといっていいほど登場するほど有名な判
例である。一部を引用すると、

|法カ収賄罪ヲ処罰スル所以ハ公務員ノ職務執行ノ公正ヲ保持セントスル
|ニ止ラス職務ノ公正ニ対スル社会ノ信頼ヲモ保持セントスルニ在レハ…
|(以下省略) 

 つまり、そもそも贈収賄罪を処罰するのは、「職務執行の公正」を保持
するためだけでなく、「職務の公正に対する社会の信頼」をも保持するた
めなのである。先の例をこれにあてはめると、たとえば公務員が賄賂を受
け取ったにもかかわらず公正に仕事をした場合、確かに「職務執行の公正」
は保たれるものの、「職務の公正に対する社会の信頼」は保たれないがた
めに、収賄罪による処罰の対象となるのである。

 これらのことをふまえて、冒頭に紹介した坂口厚生労働相や渡辺審議官
の発言をもういちど読み返していただきたい。彼らの発言が  「贈収賄」
というものをまったく理解ない、いかにトンチンカンな発言であるかが分
かって頂けたのではないだろうか。

 この程度の認識しかない政治家でも厚生労働大臣になれるというのでは、
あまりにも情けない。

【参考HP】
 最高裁判所 :
   http://www.courts.go.jp/

 電脳世界の刑法学 :
   http://w3.scan.or.jp/sonoda/

 法学者・吉岡一男氏のHP :
   http://www.users.kudpc.kyoto-u.ac.jp/~b50999/

 金沢大学法学部 :
   http://www.law.kanazawa-u.ac.jp/index.htm 
 
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■□■ [編集後記]

 最近、ベトナム料理の "生春巻き" にはまってます。作り方は、ライス
ペーパーさえ手に入れば、めちゃめちゃ簡単!ライスペーパーというのは、
米が材料の白くて丸いパリパリの皮で、ちょっと大きめのスーパーに行け
ば20枚入り2百円くらいで売ってます。

 これを水につけてしばらく置いてフニャフニャにして、あとは細切りキ
ュウリや春雨やハムや卵や・・・まぁとにかく冷蔵庫のなかのあまりもの
を適当に刻んで煮るなり焼くなりして、これまたテキトーにフニャフニャ
のライスペーパーに包んで、丸めてしまえばできあがり!

 あとはワサビ醤油をつけるなり、味噌をつけるなり、本場のナンプラー
(ベトナムの醤油みたいなもの。ちょっと魚臭い)で楽しむなり、好みに
あわせてどうぞ。

 ただ一つ難点は、今が冬だということかな。。。

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 発行時期 :  隔週(毎月第2・第4水曜日)
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