■□◆ [ちょぃと斜め読み vol.002] 
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■□■ 01/1/10
             http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Namiki/7807/
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 毎日、ニュースや新聞などをみていて「おや?」と思うことがよくあり
ます。そんな、「おやっ??」という記事をとりあげて、時事問題から軟
派なネタまで、幅広く、かつ鋭く読み解くコラム「ちょぃと斜め読み」。
批判・反論も大歓迎!
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■□■ [想像を絶するハンセン病隔離政策の実態]

 2年ほど前、卒業旅行としてヨーロッパを旅していたときのこと。  あ
る日、スペインのバルセロナで一人の日本人バックパッカーに出会った。
某一流大学の医学部生だという彼と駅のベンチにすわって話しているとき、
ふと彼は隣のベンチに目をやった。見ると、  浮浪者風の男が頬をボリボ
リと掻いている。もう片方の手には、指がない。

「気をつけたほうがいい・・・らい病ですよ」

 まわりの人たちに日本語が通じないのを知ってか知らずか、  彼は周囲
にも聞こえるくらいの声で、そう言った。しかし、だからどうしたのかと
思い、座ったままぽかんとしていると、  彼は、急いで場所を移ろう、と、
私の腕を引っ張った。  真剣な顔つきで、こう言いながら・・・。

「らい病は空気感染するんですよ! 私、知ってるんです。   悪いこと
は言わないから、早くここを離れたほうがいい!」

              ∴

 つい数年前(平成8年)まで日本には、ハンセン病患者を全国13ヶ所に
ある施設に、  なかば強制的に隔離する、「らい予防法」と呼ばれる法律
があった。施設では所長の  言うことに反抗すると独房に入れられる、一
部の患者には本人の同意を得ることなく  断種手術がおこなわれる、など
の人権侵害が  まかり通っていたことは当時のニュースなどで知ってはい
たが、先日放送された  ドキュメンタリー番組  《封印された叫び〜国策
・ハンセン病隔離の罪〜》で示された施設の実態は、  それを遙かに越え
るものだった(12/6  フジテレビ系列 2:25〜3:20放送)。

 らい予防法が制定されたのは明治時代、民族浄化思想に加えて「対外的
ナ体面ヲ保ツタメ」との  理由からだったという。要するに "不良な子孫"
を社会から根絶しようという、  ナチス・ドイツにも似た優生思想と、顔
や手が崩れおちるなど、容姿の醜い者を  人々(特に外国人)の目から隠
すという差別的な政策とが相伴って作成されたのである。

 ハンセン病患者の根絶、という国の政策は、患者を人間として扱わない
ほどに徹底して行われた。  療養所とは名ばかりで治療行為はほとんどさ
れず、収容された患者たちは死ぬまでの間、  敷地内から出ることも禁じ
られていた。施設の隣には必ず火葬場が設置されていた。  ある患者は当
時をふりかえり、「施設の外に出られるのは、煙になってからだった」と
静かに語った。

 患者たちは療養所内で結婚することは認められたが、そのかわりに夫は
断種手術が強要され、  妊娠した女性患者は本人の意思に関係なく堕胎さ
れた。こうして堕胎された胎児の遺体は、  つい最近までホルマリン漬け
の標本となって療養所内の研究室に並べられていたという。

 こうした非人道的な犯罪行為が国家の手によっておこなわれ、しかもつ
い最近まで、  それを認める法律が堂々と施行されていたのである。日本
政府が国際人権規約のうちの  市民の権利に関する、いわゆる「B規約」
の第一選択議定書を、先進国のなかでは唯一  いまだに承認していないと
いうのも、うなずける話である。

 2年前、500 人を越える当時の患者たちが国を相手取り、国家賠償と謝
罪を求める裁判を起こした。  しかし国はいまだに責任を認めていないと
いう。ここでもまた、  自分たちの犯した過去の行為に対して責任を取ろ
うとしない日本の姿が、ある。


|【補足】
|  ハンセン病は、らい菌によって感染する病気であり、しばしば言われ
| るような  遺伝病ではありません。らい菌の感染力は非常に弱く、大人
| の場合、  先の某医学生が言ったような、空気感染するということはあ
| りません。
|
|  菌に感染する恐れがあるのは、免疫の抵抗力の弱い幼児(それもごく
| 一部)だけです。  ハンセン病は数十年前から、複数の抗生物質からな
| る内服薬によって治る病気になっています。  年輩の患者さんのなかに
| は、不幸にも指や顔が菌によって崩れてしまった方もおられますが、
| これは昔ハンセン病が不治の病だったときの名残であり、決して今でも
| ハンセン病にかかっている  ということではありません。
|
|  それにしても冒頭に紹介したような、ハンセン病に関してデタラメな
| ことを言う人が  数年後には医者になるのかと思うと、なんとも言えな
| い憂鬱な気分になってしまう。。。   

【参考HP】 
  ハンセン病資料室:
              http://herz.pobox.ne.jp/kamui/kakuri/doc/bunken.html

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■□■ [風化するロッキード事件]

 最近、「田中角栄の真実−弁護人から見たロッキード事件」なる本が出
版された。著者はロッキード裁判の第一審から最高裁まで田中角栄元総理
の弁護士を勤めた木村喜助氏。

 ページをぱらぱら見てみたが、「首相に職務権限がないのに有罪にされ
た」「もともとの逮捕容疑は外為法違反であり、別件逮捕だ」「清水ノー
トというアリバイがあるのに有罪というのはおかしい」、などなど、どれ
もこれも当時ロッキード裁判の法廷において、きれいに論破された田中擁
護論をならべているだけ。もしかして木村氏は、ご自分が弁護士として担
当された裁判で何が争われたのか、さっぱり忘れてしまったのだろうか。
読めば読むほどアホらしくなってくる本だが、なかなかどうして、売れ行
きは順調らしい。

 そんななか、ロッキード事件の贈賄側である元丸紅会長の桧山広氏が25
日、死去した(朝日新聞 12/29)。ロッキード裁判が発覚したのが76年、
ということは、ちょうど私が1 歳になるかならないかの時だから、事件が
風化するのも無理はないかもしれない。

 しかしこの記事で私が驚いたのは、桧山氏が85年に丸紅の名誉顧問に就
任し、つい最近の99年3 月まで同社顧問を務めたという事実である。とい
うのも、ロッキード裁判の最高裁判決として、95年に桧山氏への懲役2年6
ヶ月の実刑判決が確定しているからである。つまり刑が確定した後も、4
年近くものあいだ丸紅の名誉顧問を務めていたことになるのだ。

 これがもし普通の会社員なら、何かの罪で2 年6 ヶ月もの実刑判決を受
けたとしたら、ただちに解雇されているはずである。あるいは刑事被告人
になった時点で、社内での信用を失い、会社を辞めざるを得ない状況に追
い込まれてもおかしくない(最近の痴漢冤罪事件でも、こうしたことが起
きている)。

 実刑判決後も元会長に適切な処分を下せない丸紅。これはどう考えても、
"身内に甘い処分" であると言わざるを得ない。

                                ∴

 「田中角栄の真実」という本については、ロッキード裁判を担当した弁
護士が書いたものとは思えないほど、その内容にデタラメな点が山ほどあ
るので、これについては後日詳しく論じることにする。

【参考HP】
「田中角栄の真実」の紹介ページ:
              http://www.koubundou.co.jp/books/pages/kbn7618.html 

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■□■ [編集後記]

最近の語録から。

その1・・・
| 新井将敬氏の自殺も、政治とカネを巡る問題が一因だった。選挙にカネ
| がかかることが元凶だ(平沢勝栄代議士/朝日新聞 1/7)

この人はいったい何を寝ぼけたことを言ってるんだろう。選挙にカネがか
かる、という弊害をなくす目的(というより、タテマエ)で数年前に選挙
制度改革を実施したのではなかったのか??

その2・・・
| (党規約や月刊誌の名前から "前衛" の文字を削除することについて)
| 党と国民との関係を、指導するものと指導されるものと、とらえている
| のではないかと誤解されやすい(不破哲三/朝日新聞 1/4)

不破さん、ウソ言っちゃ駄目だよ〜。" 前衛" というのはまさしくその意
味でっせ。それにしても最近の共産党は "プロレタリア独裁" を "プロレ
タリア執権" と言いかえたり、オモテ向きには "上級" " 下級" といった
語句を削除したりと、"なし崩し" 的にソフトな党に(少なくとも表面的
には)なろうとしているのが、なにやら不気味である。

まぁ、そんなわけで(?)今年も本誌をよろしくお願いいたします!

それにしても正月早々、お二人とも無茶苦茶なことを言うなぁ。。。

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 発行時期 :  隔週(毎月第2・第4水曜日)
 発行者  :  あがた あきら
 発行ID  :  まぐまぐ(0000054104)
 配信     :  まぐまぐ http://www.magmag.co.jp/ 
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