目次

アラビア語
アラビア語の文字
母音記号
アラビア語のつなげ方
アラビア語の書き方

1. 挨拶・その1
2. 挨拶・その2
3. これは何ですか?
4. あなたはどちらの出身?

アラビア語FAQ

 

アラビア語

やっぱりまずは基本中の基本、あいさつから。

アラビア語は右から読みます。上のことばは、<アッサラーム・アライクム>、「こんにちは」という意味の言葉です。日本語や英語だとあいさつを返す人も同じように「こんにちは」と言えばいいのですが、アラビア語は違います。あいさつを返すほうの人は<ワ・アライクム・サラーム> といいます。そのへんの話はまたおいおいするとして、まずはアラビア語の基本をみてみましょう。

 

アラビア語の文字

アラビア語のアルファベットはぜんぶで28文字から成ります。それぞれの文字は、単語の頭にくるか、中にくるか、最後にくるかによって、それぞれ形が変わってきます。ですから単純計算で、28×(独立形、語頭、語中、語尾の4パターン)で、112個の形を覚えればいいわけです。まぁ実際は、アリフの語中形と語尾形のように、同じ形をするものがいくつかありますから、ざっと100個くらいでしょうか。

たしかに英語やヨーロッパの言語にくらべれば、覚えないといけないアルファベットの形は多いですが、日本語なんかひらがなとカタカナだけで優に100種類くらいあって、しかも漢字やローマ字も含むという、考えてみれば相当にハードルの高い言語なわけです。こんな言語を、ふだん私たちは気にとめることもなくスラスラと使ってるわけですから、ヤル気になればアラビア語の文字100種類くらい、チョロいもんだ・・・・・とでも思ってがんばりましょう。実際、その気になれば2ヶ月もしないうちに文字の読み書きができるようになります。

 

表1-1 アラビア語の文字一覧

母音記号

アラビア語には、それぞれの文字の母音をあらわすための、母音記号とよばれるものがあります。文字の上にある、短い斜め線や "6" を斜めにしたような記号がそれです。

アラビア語の母音記号は、表2のとおりです。一例として、2番目のアルファベット(ب/バー)に母音符号をつけたときの例も、いっしょに示します。

 

表1-2 母音記号

「え、これだけ??」、と思われた方も多いのではないでしょうか。そう、ホントにこれだけ、たったの3つなんです。アラビア語は最も母音の数が少ない言語の一つなのです。

表1-3は、長母音と呼ばれるものです。といってもなんのことはない、ただ単に母音をのばすだけのこと。これもまた、右側にバーを使って例を示しておきました。

 

表1-3 長母音

表1-4は、2重母音と呼ばれるものです。これもまた同様に、バーを使った例もいっしょに示しておきます。

 

表1-4 2重母音

表1-5に、タンウィーンと呼ばれる記号を示します。これらは主に名詞や形容詞の格(主格、所有格、対格)を示すときに使われます。また、アーのタンウィーンのみ、アリフと同時に使われます。これまでと同様に、バーを使った例もいっしょに示しておきます。

 

表1-5 タンウィーン

最後にシャッダ記号とスクーン記号について。シャッダ記号は、その文字を2回繰り返すところを1文字で表していることを示し、スクーン記号はその文字を子音として発音することを示しています。

 

      

 

たとえば、このページにいちばん最初に示した <アッサラーム・アライクム> の場合、右から3文字目のスィーン(س)の文字にシャッダ記号がついてますね。これは、「この部分にスィーンが二文字あるところを一文字で表記しているんだぞ」、ということを示しています。さらにシャッダ記号の上には、この部分をアーと発音することを示す母音記号がついていますから、このスィーンの文字は "ッサ" と発音するわけです。また、いちばん最後のミーム(م)にはスクーンがついていますから、これは「マ」とか「ミ」とか「ム」と、母音つきで発音するのではなくて、"m" の子音の音だけを弱く発音するわけです。

 

そのほかにもいくつか発音を決める記号がありますが、それはまた出てきたときに、追々説明することにします。

さてこの母音符号ですが、じつは一般的な文書、たとえば新聞や、テレビの字幕なんかには、これらは出てきません。日本語を習うときのことを思い出してみましょう。小学校のころの国語の教科書なんかには、難しい漢字にふり仮名がふってありましたよね。あれと同じように、アラビア語も初学者にとって読みやすいように、まずは母音記号がついたものから勉強をはじめるのです。ですからアラビア語圏でも、子供たちの読むものには母音記号がついていますが、大人が読むような文書には、これらはついていないというワケです。

しかしこれにはただ一つだけ例外があります。それはイスラム教の聖典、コーラン。

イスラム教では、たとえどこの国の人であっても、コーランを原語(=アラビア語)のまま読むことが望ましいとされているために、外国の人にも読みやすいように母音記号がふってあるというわけです。

ちなみに <アッサラーム・アライクム> の母音記号を取ると、こうなります。

やっぱりこのままでは読みにくいですよね。。。

 

アラビア語のつなげ方

一見、ミミズが這ったようにしか見えないアラビア語ですが、英語の筆記体とおなじように、いくつものアルファベットがくっついて、一つの単語になっています。ただし英語の場合とは違って、アラビア語の文字は単語の先頭にくるか、中にくるか、最後にくるかによって文字の形が違ってきます。それぞれ、「語頭形」「語中形」「語尾形」とよばれています。

たとえば <アッサラーム・アライクム> を一字づつに分解すると、こうなります。先にあげた、アラビア語アルファベットの「語頭形」「語中形」「語尾形」一覧表と見比べながら、アラビア語のつなげ方、つながり方を理解しましょう。

 

アラビア語の書き方

アラビア文字をおぼえるためには、ジッと眺めてるだけではダメ!ヘタでもなんでもいいから、とにかく見よう見まねで書いて書いて書きまくるのが一番の近道です。というわけで、さっそく <アッサラーム・アライクム> と書いてみましょう。

まず、<アッサラーム>のアウトラインだけ、右から左に書きます。

次に、母音符号やシャッダ記号を加えます。

同じように、<アライクム>のアウトラインだけを右から左へ書きます。ここで注意してほしいのが、カーフの上の線!なぜかアウトライン書きの時点では書かないので、注意してください。

アウトラインが書き上がったら、さっきど同じように母音符号とカーフの一部を書き足して、完成です。